マンション売却の適正価格、査定方法、時期について改めて整理して記事にまとめました。
売却にはどれくらいの準備期間がかかるのかについても解説します。
これから不動産を現金化しようと考えている方、購入前に売却時のことを先に知っておきたいという方にお勧めの記事です。
1.マンション売却時の心得
2.査定方法
3.マンション売却の適正価格
4.マンション売却に掛かる期間
5.売却時期を元に購入時期を考えてみる
ワンルームマンション経営の全て【2020年版】
1. マンション売却時の心得
不動産を売却する際には1円でも高く好条件で買い取ってくれる所を探す、というのが言わずもがな「至上命題」といってよいでしょう。
しかし、いわゆる貴金属などのように「確定的な金額相場」というものがありません。もちろんおおよその相場というものは存在しますが、いくらで売却されるか、また手数料などを除いていくら手元に売却代金が入ってくるか、というのは買い手と売り手の関係性によっても異なります。
つまり「より高く購入してくれる人といかに巡り会うか」が不動産売却成功への鍵といってよいでしょう。そのため、不動産を売却する時には、選択肢を可能な限り大きく広げて、様々な相手の話を聞いたり交渉のテーブルにつくということが何よりも重要というわけです。
特に、借金の返済や資金集めの目的で不動産売却を行う場合にはこのスキームは絶対的に避けては通れないものといってよいでしょう。反対にいってしまえば、このように多少の手間を売主側がかけることによって、結果的により高く不動産の売却ができます。
2. 査定方法
査定方法①複数業者に査定依頼を出す。
1円でも高く不動産を売却するためにできることにはいくつかの方法がありますが、基本的には複数の業者に対して不動産売却の査定依頼を出すのがポイントといってよいでしょう。個人から個人に不動産を売却する、というのも方法としてはあり得ますが、これはあまり現実的な路線ではありません。
なぜなら土地の売買や建物の売却については非常に煩雑な手続きが絡んでくることからやはりこの辺りについてはプロに任せるのがセオリーです。
また、個人から個人に売却する場合には買い手の資金繰りを含めて様々な用意がつくことを待たなければなりませんし、そもそも買い手がつくかどうかも確定的ではないといったケースもあるでしょう。
しかし不動産売却の一括査定サービスに申し込みをすることによって比較的早い段階で買い手がつく可能性もありますし、場合によっては自社買取という形で会社側に買い取ってもらうことができるケースもゼロではありません。
また、複数の業者に並行して査定依頼を出すことによって、一つの業者の結果が出るまで待たなければならないという時間的なロスを節約することもできます。一つずつ業者に査定依頼を出して結果を待っていると年単位で時間がかかってしまうため、複数の業者に並行して査定の申し込みをするのが良いでしょう。
査定方法②一括査定サービスを活用する。
ここで一つの問題があります。一つの業者に査定依頼を出すのも一苦労だ、という方もいらっしゃるのではないでしょうか?やはり普段から慣れない相手とコミュニケーションをとるということで労力に感じる方もいらっしゃるでしょう。
それを複数の業者分だけ繰り返して行わなくてはならないとなると、無意識のうちに選択肢の中から妥協案を選んでしまうことも十分に考えられます。しかし、大切な不動産を売却するのですから、ここはやはり妥協せずに1円でも高く売却ができる相手と最後に手を結びたいものです。そこで使えるのが不動産売却一括査定サービスというサービスになります。
この不動産売却一括査定サービスというのは読んで字の如しで、Web上などから申し込みをすることにより、一度Webから必要事項を記入して送信するだけで加盟している複数の業者に一括して情報を送付することができるシステムとなっています。これにより、一つ一つ異なる業者を自分で見つけて連絡をするよりも、はるかに効率的に、そして多くの業者に売却査定の依頼を行うことができます。
一般的に不動産売却一括査定サービスを利用した場合は、こちら側からアクションをする必要はなく、また物件の情報などについてもすでに一括査定サービスを通してある程度業者側へ渡っていますので、後は各社の担当者からの連絡や査定結果を待つだけとなります。
不動産売却一括査定サービスは、信頼できる大手企業が運営しているケースもありますし、地域密着型の不動産会社が提供しているものもあります。このように信頼のおけるサービスを利用するというのも一つのポイントです。このようなサービスを使うことによって、今まで成し得なかったような効率的な売却先探しが可能となっています。
3. マンション売却の適正価格
結論を先に書いておきます。
物件売却の査定を3、4社に出して、相場に近い価格が適正価格となります。
相場周辺の価格もしくは安く売れることはあっても高く売れることは滅多にありません。
相場を知るには不動産会社に査定を出すと一番早く知ることができます。
会社によってばらつきがありますので3社ほど出すと正確に知る事ができるでしょう。
また、国土交通省が過去の不動産売買価格を公開していますのでこちらの情報とも照らし合わせて確認するとより確実です。
国土交通省「土地総合情報システム」
https://www.land.mlit.go.jp/webland/
よくある間違いが、最初は相場より高く売りに出して、売れなかったら価格を下げようとする考えです。ネット上にもこうした方がいいと書いてあるサイトがありますが、お勧めはしません。
マンションにおいては他の物件と大きな違いがある訳ではなく、相場というものが決まっています。また、買い手も相場をよく分かっており、売り出し情報を定期的に見ている方が多いのです。
買い手が相場に詳しい理由ですが、2つあります。
1つ目はインターネットの発達により、個人でも簡単に相場が調べれるようになった点です。
スマホで誰でも相場情報が見れるので相場より1割でも高いとすぐに見抜かれてしまいます。
2つ目は地元の人が買うケースが多いからです。土地勘があったり、地元の口コミなどで相場に詳しい傾向にあります。
相場より高く売り出してしばらく売れなかった場合、売り出し情報を定期的に見ている買い手にとっては売れ残った物件という印象がつき、相場と同じ価格にしても売れなくなる事も十分に起こります。
「高く売り出して売れなかったら値下げすればいい」という安易な考えは危険であると認識しましょう。
値下げする時は基本的に数百万年単位となります。数十万円から百万円だけ値下げしてもインパクトが小さく不動産会社がお客さんに営業できないからです。
相場より高く出しすぎて、逆に相場より低い価格で売る羽目にならないように気をつけましょう。
4. マンション売却に掛かる期間
売却に掛かる流れは以下のようになります。
一般的には4〜6ヶ月と言われていますが、売却に掛かる期間ですが、売り出しに出す価格によって変わります。
売りたい価格が決まっていて、絶対に値下げはしたくない、といった場合は売れるまで出し続けることになるので1年以上売れないこともあります。
最短で売るには不動産仲介会社を介して売りに出すのではなく、仲介会社に買い取ってもらう方法になります。この場合は物件の整備などしなくてもすぐに買い取ってもらえますが、相場の70%ほどの価格になりますので、よほど急いでいる時以外はおすすめはしません。
相場周辺価格で売りに出す場合は4〜6ヶ月が目安となります。
問い合わせや内覧希望が少ない場合は3、4ヶ月目で値下げをした方がいいでしょう。
売れないまま値下げをせずに長い期間売りに出していると、印象が悪くなってしまいます。
不動産会社との契約を媒介契約と言いますが、3ヶ月更新の会社が多くなっております。
3ヶ月以内に売れることはあまりないため、4〜6ヶ月が平均的な期間となります。
大体の物件が4〜6ヶ月ぐらいで売れていくので、7ヶ月目に突入すると更に値下げの検討が必要となってしまいます。
もしくは、一旦売り出しを辞めて、3ヶ月以上の期間をあけてから再度売りに出すことも一つの方法です。3ヶ月以内に物件を探し始めた買い手にとっては新しい売り出し有物件に見えるので一定の効果があります。
5. 売却時期を元に購入時期を考えてみる
1章、2章の内容を見ると、買い手側から考えて逆にいつ購入すればお得なのかが分かって来ます。
売り出し価格が相場より安い場合
相場より安く売りに出ている物件はすぐに売れますので購入を検討する場合は急ぐ必要があります。慣れている買い手はすぐに電話して内覧の予約をして即購入してしまうので、時間との戦いになります。
売り出し価格が相場周辺の場合
相場周辺の価格で売りに出ている場合は、いつから売りに出ているのか調べてみましょう。
3ヶ月ほど経っている場合は、もう少し待てば媒介契約の更新のタイミングで値下げされる可能性があります。定期的にチェックして値下げのタイミングを見逃さないようにしましょう。
3ヶ月以上経つと値下げされなくても買い手側からの値下げ交渉に応じる可能性もあります。
売り出し価格が相場より高い場合
絶対ではありませんが、すぐに売れてしまう可能性は低いため、値下げのタイミングまで待ってみましょう。
売り出しから4ヶ月目もしくは7ヶ月目に値下げされることが多いので時期をみてチェックしましょう。
値下げされない場合でも、買い手から問い合わせして交渉してみることで相場価格までなら簡単に値下げできることも多々あります。
値下げしていなくても、売れない期間が続くと値下げを検討している可能性が高くなるので、問い合わせがあると値下げに応じる可能性がぐっと高くなるのです。
購入したい物件が相場より高ければ時期をみて交渉すると効果的です。
このように売り手側の心理を考えて、購入時期を決める事が上手に買うコツとなります。