今回はマンション経営が始まった後のランニングコストの話です。
マンション購入前後の初期費用については記事「王道のワンルームマンション経営手法-初期費用編-」にて詳しくまとめておりますので是非ご参照ください。
実際にマンションを買って運用しようと考えた時、どういうコストが掛かってくるか気になりますよね。 それによって残る毎月残る利益が変わるので重要な観点です。 「思っていたよりコストが掛かって、お金が残らない、ローンが払えない」とならないために、投資を始める前にマンション経営のランニングコストについて理解しておきましょう。
1. 管理手数料
管理手数料の仕組み
マンション投資の場合、サラリーマンの方が投資されるケースが多いですが、入居者の募集、契約業務、クレーム対応など個人で対応するのは無理があります。そのため、管理会社に管理手数料を払って、面倒な業務をすべて委託するのが一般的になっています。
一番多い業務としては家賃滞納時の督促です。オーナー自ら入居者に電話して、家賃の督促をすることを考えると精神面や労力が多いに掛かりますので、督促を代わりにしてくれるのは大きなメリットです。会社は早期リタイアしていて、自分で全部できる場合は、管理手数料は払わずに全て自分で対応するという方もいます。
ただ、集客面に関しては個人では難しい面があるので、やはりほとんどの場合は管理手数料を払うことになります。 年間で見るとそれなりの費用になってしまいますが、契約更新や未払い家賃の督促業務なども含め全て対応してくれると考えれば、投資家にとっては非常にありがたい制度と言えます。
管理手数料の相場
相場は家賃の5%ですが、管理内容によりもちろん変わります。
家賃滞納の督促や契約更新、退去時の立会いなど、基本的な事だけ代行してくれる管理会社の場合は3%程のことがあり、相場より安いケースが多くなっています。
逆に基本的にはどんなことでも対応してくれる管理会社の場合は5%より高いケースも稀にあります。
管理業務の中に何が含まれているのかに注目して、金額が妥当かどうか判断するようにしましょう。
2. 修繕積立金
修繕積立金とは
修繕積立金はその名の通り、修繕に掛かるお金を積み立てて必要なときに使われます。具体的には外装のペンキ、エレベーターの保守点検、ひび割れの補修、など様々な補修に使われます。駐車場の整備や植物を植えている物件だとそのメンテナンスにも使われるでしょう。安くはない金額ですが、補修をして常に綺麗で快適な物件にしてもらえると考えれば、このコストも投資家にとってはありがたい制度です。 しかし、中には積立金を補修に使わずに、ポケットに入れてしまう会社もあります。 みんなから集めたお金をしっかり修繕に使っているかどうかはチェックポイントになります。
修繕積立金の相場と悲しい事実
国交省が発表しているデータに基づくと平成30年時点での修繕積立金の平均額は12,268円となっています。
こちらのグラフを見て頂けると分かるように、平成11年から比較すると年々増加の傾向にあり、約3~4割ほど高くなっています。
参照:国土交通省「平成 30 年度マンション総合調査結果からみたマンション居住と管理の現状」
https://www.mlit.go.jp/common/001287570.pdf
ここでもう一つ興味深いデータがありますのでご覧ください。
参照:国土交通省「平成 30 年度マンション総合調査結果からみたマンション居住と管理の現状」
https://www.mlit.go.jp/common/001287570.pdf
こちらのグラフからは平成22年以降に建てられたマンションの修繕積立金はかなり安いことが分かります。
この2つのグラフの組み合わせにより修繕積立金は新築時には安く、築年数が大きくなるにつれ、高くなることが分かります。
じゃあ最初から高く設定しておけば良いものを、と思うかもしれませんが、こういった費用の設定になってしまう理由はたった1つであり、新築時には利回りを高く見せたいという思惑があるからです。
悲しい事実ですが、最初は見かけの利回りを高くみせるために修繕積立金は安くして後から徐々に上げていく手法が業界全体でとられているという事になります。
つまり気をつけないといけないことは、後から高くなる可能性があるので修繕積立金はただ安ければいいという訳ではないということです。
3. ローン手数料・固定資産税・各種保険
その他細々としたコストです。 ローンの手数料も年間でみると数十万になります。
固定資産税、火災保険、地震保険も掛かります。 保険は管理会社によって指定のものが決まっていることがあるので、確認しましょう。