マンション経営を始めるきっかけは資産を作りたいという方が多く、結局は「儲かりたいから」という理由が一番多いでしょう。
しかし、利益以外にも様々な側面があることを知って頂きたく、今回コラムを書かせて頂きました。
その1つとしてハイパーインフレに備えることができるという点があります。
是非ご一読ください。
1.ハイパーインフレとは
2.日本がハイパーインフレになる可能性について
3.マンション投資による利益について
4.ハイパーインフレに備えるにはマンション投資が最適な理由
1. ハイパーインフレとは
アメリカ合衆国の経済学者、フィリップ・ケーガン(英語版)は、ハイパーインフレーションは「インフレーション率が毎月50%を超えること」と定義しています。
例えば、今月100円で売っていたガムが翌月には150円になっており、100万円の車は翌月には150万円になっているということです。
これが10か月続けば100円のガムは約5,700円になり、100万円の車は5,700万円になるということです。
実際にハイパーインフレになる場合はもっと早いペースでインフレ化することが多く100円のガムが1兆円になっていることも実際に起こっています。
こうなってしまうとあらゆるビジネスは成り立たなくなり、自国の通貨が無価値となるため国中が大混乱となります。
仮に預金が100億円あってもほぼ無価値となってしまうのです。
2. 日本がハイパーインフレになる可能性について
基本的に通貨の信頼が落ちるとハイパーインフレになるのですが、日本円の信頼は世界的に見て高いためハイパーインフレとは無縁だと考えている方が大多数となります。しかし、実際に現状を分析してみると絶対に安心できるとは言えない事実があります。
日本がハイパーインフレになるリスク①
例えば、政府が抱える債務のGDP比を他国と比べてみてみましょう。
以下のグラフをご覧ください。
出典:IMF “World Economic Outlook” (2019年10月)
https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/007.pdf
上記は国際通貨基金IMFが公表している公式なデータになります。
日本はGDPに対して約240%の債務があることが分かります。
額で言うと約897兆円となります。
他国と比べて異常に高い債務残高です。
企業に例えて言えば、毎年1000万円の売上で利益も出ず赤字にも関わらず2,400万円の借金があるようなものです。
この事実だけ見るといつ倒産してもおかしくないでしょう。
実際には債務だけではなく日本は海外の債権も多く保有しているので相殺できるという考えの方もいらっしゃるのですが、政治問題もあり海外の債権はずっと現金化できずにいます。過去に一度海外の債権を現金化しようとしたのですが、アメリカからの大きなバッシングにあい、実行できませんでした。
日本がハイパーインフレになるリスク②
2つ目はアメリカが大不況になるリスクです。
2020年現在流行しているコロナの影響によりアメリカの中央銀行であるFRBはかつてない規模で金融緩和をしています。
簡単に言えばお札を大量に発行してバラまいています。
こちらのグラフをご覧ください。
出典:FRB総資産推移
https://fred.stlouisfed.org/series/WALCL
新型コロナウイルスが与える経済への影響はリーマンショックの5倍以上と言われています。
また、コロナ流行による景気悪化は少なくとも2022年末まで続くと予測されています。
こちらのグラフをご覧ください。
出典:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60220890R10C20A6000000/
貿易において日本から最も輸出している国がアメリカとなるため、アメリカが不況になると日本からの輸出額にダイレクトに響きます。アメリカへ投資した資金の回収も難しくなり、日本も芋づる式に不況になる相関関係があると言えます。
3. マンション投資による利益について
ハイパーインフレへの備えの前にマンション投資による利益について完結にご説明いたします。
マンション経営での儲けは、簡潔にまとめると賃貸収入と物件売却益になります。
用語を使うと賃貸収入がインカムゲイン、物件売却益がキャピタルゲインになります。
特殊な例でいうと、駅に近いマンションの場合は看板などを設置することで広告費も収入として見込めますが、ほとんどの場合は設置できないと考えていいでしょう。
計算式で説明すると、単純に以下になります。
利益(儲け)=売上-経費
よく不動産サイトに載っている「利回り」というのは投資額に対して、どの1年で何%返ってくるか、という意味です。
例えば、4,000万円投資して、1年で400万円の利益が残れば利回りは10%になります。
利益10%が10年続けば投資額が全て回収できて、不動産として資産が残るので非常に高い利回りということが分かります。
このように高い利益率を維持できるマンションを皆さん狙うので、良い物件は取り合いになります。
しかし、利益以外の側面も理解した上で物件の選定をすると、競争率が低く総合的に考えて自分にとって良いマンションを見つけやすくなります。
4. ハイパーインフレに備えるにはマンション投資が最適な理由
普段はあまり意識しないかもしれませんが、現金が絶対に安全だと認識されている国は多くありません。
全ての資産を現金として持っているよりも、一部でも不動産として持っておくことでリスク分散が可能です。こういった観点だと利益のこと以前に不動産を持っているというだけで、持っていない人と比べると資産保全で一歩先にいると言えます。
日本では現金信仰が強く、預金が多ければ安全だと考えている方が多いのですが、他国ではハイパーインフレといって自国通貨の価値が紙くず同然になる現象が実際に起きています。近年の事例だとベネズエラやジンバブエで起きていて世界的な話題にもなっています。
ハイパーインフレになると以下のように価値が100万分の1などになるので、文字通り紙くずになり、何も買えなくなり、国中で混乱が生じます。
ハイパーインフレは実際には以下のように過去に15か国で起きており、2020年現在は韓国がデフォルト(債務不履行)およびハイパーインフレのリスクが高まっていると言われています。
参照:ウィキペディア
日本ではそんなこと起きないだろうとたかをくくっている方が大半だと思いますが、ハイパーインフレになる可能性は度々有識者同士で議論されています。また、ハイパーインフレではないですが、戦後まもなく1946年に預金封鎖が実施されています。
現在の価値でいうと約10万円分しか毎月下ろせないように政府が緊急令を出し、下ろせなかった預金は没収された事実があります。不動産などの資産にもその当時、課税はされましたが、現金はほぼ没収されたのに対し、不動産を持っている人は資産を残せています。
預金封鎖は国民にはもちろん事前に分からないように突然発表されるので、予測することはできません。
政府が返済しなければいけない国債は毎年金額が膨れ上がっているので、預金封鎖の可能性はあると考えておいたほうがいいでしょう。
こういったことを見越して、資金に余裕のある投資家は海外の不動産を購入している方もいます。
分散投資という観点で考えると利益率よりも、物件がどういう構造で建てられているか、この先何十年と長持ちしそうか等の重要性も理解しやすいでしょう。
マンションの耐久性問題については以下記事で触れさせて頂いておりますのでご参照ください。
中古マンションは築何年まで売れるのか
一番重要な点は現金の価値はハイパーインフレ時には紙くず同然になりますが、「物」の価値は変わらないということです。
手に持てる物で高価な物といえば、時計や貴金属などありますが数十年という期間の保管などを考えると資産保全という意味では不動産が最適と言えます。
ハイパーインフレが起きた時には100億円の現金を持っているより、マンション1室を持っている人の方が資産家ということになるのです。