近年、マンション投資家や不動産投資を行う日本の個人投資家の間で話題になっているものがあります。それが海外や東南アジアのマンション投資です。東南アジアへのマンション投資の中でも最近特に人気なのがベトナム社会主義共和国へのマンション投資です。
ここでは東南アジアのマンション投資事情に中でも特にベトナムにスポットライトを当て、メリットやデメリット、またこの国の経済成長や不動産事情についてもご紹介していきます。
1.ベトナムってどういう国?
2.経済成長について
3.不動産事情について
4.ベトナムでのマンション投資のメリット・デメリット
5.その他
6.まとめ
1. ベトナムってどういう国?
南北に細長い国土を持つ、ベトナム。正式名称はベトナム社会主義共和国といいます。首都はハノイで、最近は同国に出かけたり移住する日本人も増えてきています。
今を遡ることを百数十年前までは、フランス領として植民地化されていた経緯を持ちます。現在は独立国家で、ベトナム共産党が一党独裁を行っています。
また、日本人も多く同国に移住しており現時点でおよそ15,000人以上の在留邦人がベトナムにいます。
このように日本とベトナムの国交や関係性についても比較的良好で、このことも日本の不動産投資家から人気を集めている要素の一つです。
2. 経済成長について
ベトナムは経済成長が著しい時期を迎えています。ASEAN経済共同体の発足によって様々な企業や資本がベトナムに流入するようになったことも手伝ってベトナムは現在、産業の成長、またそれに伴う国民総所得の向上も見られます。
また、これからますます経済的な発展や成長を予想している投資家も非常に多く、特に日本は資本の他にも人的リソースをベトナムに投入してビジネスを展開しようという大手の動きも増えてきています。
3. 不動産事情について
ベトナムへの不動産投資は世界的に注目されています。その理由としてはやはり平成27年夏に施行された現地の住宅に関する法律改正です。
この法律改正により、従来は外国人がベトナム国内の物件を所有することが制限されていましたが、現在は事実上外国人でも物件の所有が認められるようになりました。ただし、ベトナムは社会主義国ということもあり外国資本の流入を基本的に受け付けないような部分もあります。
このため、中古物件の購入などに関してはまだまだ外国人投資家を嫌うような動きがあるのも事実ですが、とにかく法律改正によって事実上外国人のベトナムの物件保有が認められるようになったのは大きいポイントといってよいでしょう。
その他、ベトナムはますます経済成長や発展も予想されることから、戸建て住宅はもちろんのことマンションなども建設ラッシュを迎えるといってよいでしょう。
また観光資源としてのベトナムを見るのであればコンドミニアムなど比較的大規模な物件もこれから建設されることが考えられます。
ベトナム国民のみを対象に考えてみても、そもそも人口がおよそ8,000万人以上ということなので住宅に関する需要や市場はかなりのものがあると予想されます。
まだ、経済成長に伴ってそれぞれの所得が向上すると必ず住宅のグレードアップという部分も考えるのが人の常です。このことからも、ベトナム国民に向けて物件を貸し出すというスキームは今後ますます注目されるでしょう。
4. ベトナムでのマンション投資のメリット・デメリット
ベトナム国内でのマンション投資のメリット、そしてデメリットについてご紹介します。
まずはデメリットからご紹介します。
現在、不動産に関する法律のみならず様々な仕組みの改革が進められているベトナム。社会主義国ということもあるのですが、とにかくベトナムは現在の急激な成長に法律の整備が追いついていない印象です。つまり、お役人の胸先三寸で全てが決まる部分も0ではありません。書類上国の中央で認められていることが実際に現地に赴いてみると、現地の役所で拒否されたり、またはワイロなどの要求を受けることもあります。日本で考えればほとんどあり得ないことではありますが、所変わればルールも変わるということでこの辺りについてはきちんと認識をしておかなくてはなりません。
反対にメリットとしては、やはり物価が比較的安いということがありますので、物件の購入ハードルも日本国内に比べてかなり低めに設定されているというポイントが挙げられます。
それでいて、今後さらなる人口増加や経済の成長も期待できる状況であることから、そもそも不動産の価値そのものが上昇していくことは容易に予想できます。
また、日本だとどうしても地震など災害の心配をしなくてはならないところではありますが、ベトナムは地理的な要素で今までにほとんど天災で大きな被害を被ったという情報はありません。
この辺りも、安定して不動産投資を継続できるポイントとして知られています。
もう一つ大きなメリットがあります。そもそも、物件を購入したとしてもそこに人が住んでくれなければ収益をあげることはできません。日本では不動産屋に物件の紹介を依頼するなど様々な方法が取れますが、ベトナムではその一歩先を行く保証システムが整備されているケースもあります。例えばコンドミニアムを購入した場合、必ず人が入り賃貸契約を結ぶことができるように設定してもらえるという、いわゆる「賃貸保証」がついているケースがあるのです。この賃貸保証がついているということは、物件を購入したは良いものの全く人が入らず家賃収入もゼロの期間が長期間続く、などの事態を避けることができます。
5. その他
日本国内で物件を購入すると、その物件が存続している限りは何世代にもわたってその物件を保有することが可能です。しかしベトナムでは、外国人が一つの物件を保有できる期間を50年間と定めています。つまり、50年間しか物件を保有することができないというわけです。ただしこちらは更新が一回のみ可能ですので、外国人の物件保有可能期間は累計で100年ということになります。
6. まとめ
このように、ベトナムは東南アジアの中でも比較的物価が安く経済成長も人の増加も著しいということで不動産の需要がますます高まることが予想される国の一つです。既に法律の改正によって多くの不動産投資家が注目しているベトナム。日本国内で不動産投資をするほどのコストはかけられない、というマンション投資家や個人投資家がベトナムに進出するシーンも多くなりました。