今回は不動産投資にある程度成功し、収入が増えてきた時の話です。 所得税と住民税は年収とともに上がっていきますが、個人の所得は累進課税なのでなんと最高で55%にもなります。 そこで資産管理会社が利用される訳です。 資産管理会社を使うとどうなるのか見ていきましょう。
少しイメージしてみてください。 まず自分を役員として登録した法人を作ります。 多くの場合は設立費用の安い合同会社を作ります。 不動産を購入する時に、個人名義で買わずにその法人名義で購入し、収入は法人から役員(自分)への役員報酬として払います。 不動産の場合、家賃収入は法人に入るようにし、残った利益から役員報酬を支払います。 このように個人ではなく、資産を管理する法人を資産管理会社と呼びます。 法人を介して収入を得るのは一見面倒に見えますが、収入が多くなればなるほど資産管理会社の使い道は多くなりメリットも大きくなります。
2. 活用方法とメリット
法人税の詳しい計算方法はここでは省きますが、実質の法人税率は最大で約33%となります。 個人の場合は所得税と住民税が最大で55%になります。 不動産で得られる利益を法人に入るようにすればこの差の22%分が節税できるという訳です。 仮に個人で2,000万円の利益が毎年出る場合、個人所得に掛かる税は50%となるので半分の1,000万円を税金として払う必要があります。 法人で2,000万円の利益が毎年出る場合、掛かる税は約33%となり、約660万円を税金として払う必要があります。 少なくともこの差額340万円が節税できるということになります。 規模が大きくなればなるほど節税額も大きくなり、投資家のみならず大きな収益を出しているYOUTUBERの方々も資産管理会社を持っていることが多いのです。
3. 資産管理会社を使った節税方法
会社を作ることにより、もう一つ大きなメリットがあります。 それは色々なものを経費として落とせるということです。 例えばレストランでの食事代やカフェ代などは会議費として経費で計上できます。 大きなもので言えば車などは社用車として経費で計上できます。 経費は売上から引けるので、その分利益を圧縮することができます。 仮に1億の売り上げがあっても、色々なものを経費として計上することで利益を少なく見せることができます。 利益が少なくなればその分、払う税金も少なくなります。 「活用方法とメリット」では「少なくともこの差額340万円が節税できる」と書きましたが、このように経費を活用することによりもっと節税することができます。
4. デメリット
資産管理会社のお金は、厳密には個人のお金ではないです。 法人(資産管理会社)の代表者が自分であったとしても法人と個人は法律上は別人格として扱われます。 「節税方法」で述べたように多くの場合は会社の経費として使うことはできますが、会社名義の口座に入っているお金を私費として使うことは厳密にはできないのです。 この辺りを理解していないと知らずのうちに脱税を行っていることになるのでよく理解することが重要になります。 また、役員報酬は年間で基本的には固定になります。 変更する場合は手続きが必要なので、個人の口座に入る現金の額は融通が利きにくいです。 法人口座に入っているお金を自由に出金して役員報酬とすることはできません。 資産管理会社を作る場合は法人の決算報告などしないといけないので、手間が増えます。 資産管理会社の運用も人に任せることができるぐらい収益に余裕が生まれてから作るべきと言えます。