よく不動産投資関連のセミナーでは、参加費は無料のものがほとんどで、参加条件として年収制限が設けられているものがあります。
参加者側としては投資をするためにある程度年収がある人だけ募集しているんだなと理解しがちですが、ここには隠された罠があります。
不動産投資に失敗しないためにセミナーに参加する場合は3つのポイントについて理解しておきましょう。
1.不動産投資セミナーとは
2.ポイント①住宅ローンの限度額
3.ポイント②参加者への優越感
4.ポイント③決断速度の速さ
5.まとめ
まずは前提として不動産投資セミナーとはどういうものか解説します。
基本的には不動産会社がセミナーの主催者となり、不動産経営に関するコンテンツをセミナー形式で開催します。
コンテンツについては、マンション経営のノウハウ、初心者向け物件の選定方法、ワンルームマンション最新トレンドなど不動産経営に役立つものを中心に多くの種類があります。弊社がコラムにしている内容のようなセミナーも多くあります。
内容次第では、主催企業とは別にゲスト講師も参加し、話を聞く事ができるセミナーもあります。
参加費は無料のものがほとんどで参加条件として「年収○○○万円以上」のように制限があるセミナーがあります。主催企業の目的としては見込み顧客の開拓となりますのでセミナーの終盤には自社物件の宣伝をされるケースがほとんどとなっております。宣伝をしばい場合でも、自社個別相談の告知などをし、後日物件販売の営業活動をされるパターンもあります。
もちろんセミナーに参加したからといって、物件購入の契約をしないといけない事はありませんし、購入前提で参加している人はほとんどいませんので断っても全く問題はありません。ただ、主催企業としても広告のために費用をかけてセミナーを実施していますので、企業によっては何度も営業を掛けられることもあり、迷惑なケースもあります。そのため、主催企業からの不要な営業に関してはハッキリと断ることが重要です。
よく不動産投資関連のセミナーでは参加条件として年収が設定されていることがあります。
「かぼちゃの馬車」をバックエンドの商品としたセミナーでもよくありました。
この年収の理由を考えたことはあるでしょうか?
人気のセミナーであれば、年収が高くて、不動産投資を真剣に考えている人を優先したい、ということも考えられますが、多くの場合は違います。
年収で借りられるローン額が決まるからです。
仮に年収600万円で住宅ローンが約4,000万円組める場合、頭金を800万円とすれば4,800万円の物件が購入できますね。
このように年収によって購入できる物件の金額が大体決まってきます。察しのいい方はもうお分かりかと思います。
セミナーで売る商品となる物件の金額が既に決まっており、それを購入できる年収の人のみを対象にセミナーに呼びたいので年収を参加条件に付けているのです。
つまり参加条件に年収の金額が書かれている場合は、それを元にした住宅ローンが組める金額の物件を紹介される可能性が高いということです。
年収が高い人ほどこの条件をクリアしやすいので、セミナーを通して物件を紹介される可能性が高くなります。
3. ポイント②参加者への優越感
年収制限のあるセミナーに参加すると、ある種の優越感や選ばれて参加している感が強くなります。
選ばれた人だけが参加できるんだからセミナーの質が高いと思い込んでしまうことがあります。
実態は、高年収の人に高い金額の住宅ローンを組ませて普通の年収では買えないゴミ物件を買わせようとしている可能性があるのです。
恐ろしいですが、実際によくある話です。
詐欺をしようとする人はあの手この手で、いい気分にさせゴミ物件を売りつけようとしてくるのです。
参加条件として年収制限があるセミナーの場合でも、セミナーの内容が主催企業の思惑に誘導されていないかについては常に気をつけておくべきです。
また、純粋にセミナー内容の質が高いとも限りません。質が低い場合は時間の無駄になってしまいますので、遠慮せずにセミナー途中でも退室してしまいましょう。最後まで聞いていても意味はないのですから、途中で抜けても同じです。
4. ポイント③決断速度の速さ
年収制限が例えば800万円以上など高い場合は参加者の層として、企業の役員クラスの方が必然的に多くなります。
そして役員クラスの方は驚くほど即断即決する人が多い傾向にあります。
ビジネスの世界では即断即決することによって失敗・改善を何度も繰り返していくことで成功に近づいていきますが不動産投資の世界では違います。
一度失敗すると破産することになりかねません。
2018年に起きた「かぼちゃの馬車」事件では多くの役員クラスの人が破産しました。
2020年3月にこの事件は一応裁判にて解決したものの、2年間の間に多くの方が苦しむ結果となりました。
当時の状況を冷静に考えると、他の物件と比較するとかぼちゃの馬車の物件は質の割に非常に高価でした。
また、スルガ銀行の金利も他行と比べてかなり高いものでした。
しかし、忙しく仕事をして即断即決する癖が付いている人ほど比較検討する時間もなく、営業マンの言うことを少ない情報を元に信じがちです。
本当に忙しく、比較検討する時間がない場合は高額なローンを組んで不動産投資をするべきではないでしょう。
5. まとめ
このように年収制限があるセミナーには見えない3つの罠が張られているのです。
もちろん無料で参加して良い知識が付く、良質なセミナーも少なくありません。
勉強目的の投資家としてはどんどん活用するべきですが、罠に掛からないように気をつける必要があります。
特に高い年収制限を掛けているセミナーでは、参加者が安心だろうとタカをくくって油断してしまうことがあります。
その時が一番罠に掛かりやすい危険な状態です。
年収制限があるセミナーに参加に参加する際のご参考にして頂けると幸いです。