数年以内に高値で売り抜ける場合を除き、マンション経営は30~40年先を見据えて行うことが重要です。
しかし、30~40年後を予想することは時代の変化が激しい現代では非常に難しく、現実的ではありません。
10年先を予想して投資していくことが現実的であり、セオリーとされています。
今の現状と今後のトレンドを考え、10年後、
東京のワンルームマンション経営はどうなっているのか考えていきましょう。
1.東京の現状
2.東京の10年後の未来
3.東京のワンルームマンション経営は10年後どうなるのか(後編のコラムをお待ちください)
まず東京の現状について客観的に把握するところから始めましょう。
現状として以下の様な特徴が挙げられます。
■日本の人口が一極集中している。
東京の面積は622 km2と他の道府県平均804 km2と比べると狭いにも関わらず、人口は1380万人と多いため、人口密度は6,354人/km2と非常に高くなっています。
日本全体の人口密度は336/km2ということを考えると東京は非常に高いことがわかります。
より細かく見ていくと以下の東京都の図のように23区中心に人口密度が高くなっています。
出典:東京都の統計
https://www.toukei.metro.tokyo.lg.jp/index.htm
最も人口密度の高い豊島区だと22,354人/km2と都内平均(6,354人/km2)と比べてもより高いことが分かります。
■30~40代の人口が多く、男性比率が少し高い。
こちらは知らない方も多いかもしれませんが、全国と比べて東京は30~40代の人口が多く、男性比率が少し高くなっています。
20代以下は全国と比べて少なくなっており、子育てする世代は近隣の埼玉、千葉、神奈川への引っ越しをしていることがデータから読み取れます。
■インフラが圧倒的に整備されている。
延期になってしまいましたが2020年東京でオリンピックが開催される予定だったため、元々インフラが整備されていた東京のインフラは更に強化されています。
具体的にはこのようなインフラが整備されています。
首都圏空港の機能強化
首都圏高速道路の更新
環状道路の整備
東北縦貫線、羽田空港アクセス新線など鉄道の整備
湾岸エリア、大手町・丸の内・有楽町エリアなど都市開発
出典:国土交通省関東地方整備局
https://www.ktr.mlit.go.jp/
■日本の経済の中心
人口集中、企業、就業者数、都内総生産(名目)、政治機関の集中など様々な点で日本経済の中心となっている。
出典:東京都の統計
■その他全国と東京の違い
■その他1 全国と比べ第三次産業の企業数が多い
出典:東京都の統計
■その他2 全国と比べ外国人在留者が多い。
出典:東京都の統計
■その他3 全国と比べ外資系企業が集中している
出典:東京都の統計
■その他4 全国と比べデザイン業務の売上高比率が高い
出典:東京都の統計
2. 東京の10年後の未来
■人口は10年後も横ばい
東京都における高齢化率は総人口がピークを迎える2025年には23.3%であり、2030年には24.3%と約4人に1人が高齢者になると推計されます。
ただし、生産年齢人口が減少と、高齢者人口の増加で相殺されて総人口が横ばいとなっており、人口構成が変わっている点に注目する必要があります。
また、生産年齢減少と高齢者人口の増加傾向は10年後以降も数十年単位で続くものと予想されています。
出典:東京都の統計
■今年(2020年)か来年には後期高齢者(75歳以上)が前期高齢者人口を上回る見込みです。
全国と比べ東京はその傾向が顕著です。
出典:東京都の統計
■持ち家率の低下が予想される。
全国平均の持ち家率は2020年現在約61%ですが、東京は約47%と相対的に既に低くなっています。
理由としては一世帯あたりの人数の減少(単身者の増加)と高い地価となります。
この2つの原因は今後10年後も続くと思われるため、持ち家率は更に下がると予想されます。
高齢者における持ち家率は東京と全国で顕著な差があり、今後もこの傾向が継続すると思われます。東京の65歳以上の単身世帯の50%以上が借家となっています。
出典:東京都の統計